高校2年の時だった。
札幌~函館を往復する10泊11日の自転車旅行に
出かけた時の事を今でも鮮明に覚えている。
16才の夏に計画した 走行距離700kmを越えるこの旅行は
人生で初めての大きな挑戦だった。
テントと寝袋・ガスコンロを積み込み
走り始めた日は猛烈な雨で、雨具を通して伝わる
強い雨脚と冷たさに 終始震える一日。
室蘭の叔母の家で受けたもてなしと湯船に、気持ちの芯から温まった。
峠道を必死に登り続ると 耳に入ってくるのは自分の息切れと、
こんなに大きいのかと思う程の 鳥や虫の声。
“ムッ”とする程の草木の香りと、時折姿が見えるエゾ鹿・キタキツネ。
帽子のつばから滴り落ちる汗をうっとうしく感じ
意識していると、急激に腹が減り始める。
自身の燃費の悪さに驚き、“生きている”事を強烈に実感した。
日暮れに 電灯も何も無い海岸でテントを張った。
ボンヤリと炎を眺めていると
潮の香り・薪の煙たさで“ハッ”と我に返り
何かに取り残された様な寂しさが 急にこみ上げてくる。
一緒の友人も同じらしく、他愛も無い話で無理に盛り上がった。
寝始めに気になっていた波の音も 聞き慣れると心地よく、
翌日の行程が遅れる程よく眠れた。
窓を開けて声を掛け、応援してくれる車やバイクの多さに驚き
ドライブインで出会う 他の旅行者との会話に心が和み
向こうが見えない直線道路を進んで
五稜郭公園の水飲み場で頭を洗った頃には
ちいさな自分と この地の大きさに
ある種の恐怖と敬意をもって、こう思った。
「大陸だ」と。
数年たって 自転車を車・バイクに乗り変えると
周りの距離が急に縮まって、半日で函館までドライブが出来る様になった。
海外にも 何度か足を運んだ。
けれど、この自転車旅行は
脳裏に焼きついて離れない 大切な思い出の旅になっている。
ドキドキ・ワクワクはそこにあっても
おおらかさ・やさしさ・懐の深さ・厳しさ・温かさを
この旅以上に感じる旅は無かった。
「島国根性」かもしれないが、
車で1・2時間も走ると 34才の今でも思う。
NorthContinent だと
今年は市場という でっかい海ではなくて
何かは 昇ってみないとわからないけど
皆と川上に向かって進んで行く そんな年にしよう。
新年あけましておめでとう
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